ダイエットサプリメント・ダイエット・健康・頭痛にはプラセボが効きます

　おそらく人生において頭痛を経験しない人というのはいないと思うが、とりわけいわゆる習慣性の頭痛に悩まされている人も無視できないくらい多い。これらは偏頭痛とか緊張性頭痛の形で発現するものであるが、これらの習慣性の頭痛がもたらしている経済的社会的損失は甚大である。本研究では119件の頭痛に関する無作為化偽薬対照臨床試験を対象に検討、全く治療しない場合とプラセボを用いた場合では、プラセボを用いた方が効果が高い可能性を示唆している。 一般的にいって研究における対照群やプラセボ群というのはあまり効果が見られないことを想定しているが、これらの群においても治療的効果が上がることがある。常々、何でプラセボが効くことがあるのか、というのは良く問われる疑問である。本研究を行ったオランダ・エラスムス医療センターの研究者らは、この疑問に答えるため、緊張性頭痛や偏頭痛の患者に対しての臨床研究を対象に検討を行った。 頭痛に関する臨床試験のうち、治療無し群とプラセボ群の『効果あり』報告は36%において見られた。薬理学的研究の対照群では、行動学的治療研究の対照群に比べて有意に改善傾向が見られた(前者が38.5%に対して後者が15%)。また患者は急性期治療において、予防的治療に比べてより改善傾向が見られた(前者が39.6%に対し、後者が32.8%)。これらのことを考えるならば、かなりの割合の改善が『治療無し』においても見られることが示唆されるものであって、日常的な臨床現場での投薬治療のリスク-ベネフィットを考える際に非常に重要な意味を持っていると思われる。 薬理学的治療は、一般にライフ・スタイル変更やリラックス療法、認知的治療などが奏功しなかった場合に用いられることが多い。多くの処方箋薬やOTC薬は使いすぎによる副作用が知られており、これらの副作用リスクを考えれば、臨床家はもっと慎重に処方を検討するべきだと研究者らは指摘している。『治療無し』群でもこれだけの治療成果が上がっていることを見直して、今後、緊張性頭痛や偏頭痛治療においてどのような処方戦略が必要であるのか再考すべきであると研究者らは述べた。