ダイエットサプリメント・ダイエット食品と葉酸と脳卒中

　ホモシステインというのは硫黄を含む含硫アミノ酸の一種であるが、従来の研究から、ホモシステインの血中濃度が低いヒトは脳卒中になりにくいといわれてきた。けれども、もっとも信頼性の高いといわれるランダム化プラセボ（偽薬）対照試験という手法を用いた研究では一致した見解が得られていなかったという。
　今回カリフォルニア大学の研究チームは、メタ分析（複数の論文から得られるデータを合成して真の効果を見出そうという研究手法）によってその効果を明らかにしようとしている。ここで対象とされているのは葉酸サプリメントの服用による効果である。この葉酸はビタミンの一種で、胎児の異常を抑えるために妊婦や妊娠前の女性の服用が推奨されているわが国では唯一のサプリメントである。ホモシステインの血中濃度を下げる効果のあることも知られているため、今回のような脳卒中予防効果に関する研究にも使われる。
　研究チームは、葉酸サプリメントの服用による脳卒中予防効果を調べた過去の文献を検索し、研究の質が担保されていると思われた13件のランダム化プラセボ対照試験を見つけた。これらの論文には葉酸の効果を肯定するものもあれば否定するものもあった。研究チームはそれらの論文に含まれている3万9千人のデータを再解析することによってすべての論文から導かれる結果がどちらなのかを可能な限り厳密に数値的に導こうとした。その結果、葉酸サプリメントの服用は、プラセボ（偽薬、葉酸が入っていないサプリメント）服用に比べて統計的に意味のある差を持たないという結論に達したという。ただし、男性に限った場合には、他のビタミンB類と共に服用することでわずかに予防効果が期待できる可能性は残されたので、さらに検討が必要かもしれないと付け加えている。