米国の3種の大規模調査、「男性医療従事者の疫学研究 (HPFS)」および「女性看護師の疫学研究(NHS) T,U」における男性39,765人、女性157,463人を対象に検討した。
年齢や生活習慣、食事性リスク要因を調整した結果、白米を週5サービング*以上食べている人では、月1サービング未満の人と比較し、2型糖尿病のリスクが17%上昇したという。一方、玄米を週2サービング以上食べている人では、月1サービング未満の人と比較し、同リスクが11%下降したという。クウィ・サン医師らは、2型糖尿病のリスク下降との関連において、1日50g(1/3サービング)の白米を同量の玄米に代えると16%のリスク下降、全粒穀物群では36%ものリスク下降が期待できると推測した。
白米が玄米と比較し2型糖尿病のリスク上昇に関連する要因として、研究者らは米の精製による影響を指摘している。すなわち、「白米のグリセミックインデックス(GI)の高さは、精製過程で糠や胚が除去されること」、「食物繊維や多種類の栄養素、植物性エストロジェン等、多くの糖尿病予防に寄与する物質が精製過程で除去されること」に起因する可能性があるという。
研究者らは公衆衛生的見地から、2型糖尿病の予防促進のために、白米のような精製穀物よりも玄米を含む全粒穀物を食べるよう推奨されるべきだと結論を下している。
*穀類の1サービング(米国)は、パン1片、ドライシリアル30g、ご飯1/2カップに相当
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