ハーバードメディカルスクール心血管系疫学調査班の研究者らは、チョコレートを適度に食べる習慣のある中高年女性は心不全のリスクが低いことが、長期間に及ぶ効果として初めて観察されたと「循環:心不全」に報告した。
これまでの無作為調査結果からチョコレート摂取は収縮期・拡張期血圧を下げる効果が知られており、また心血管疾患リスクを減じる効果が観察研究結果からも得られている。本研究では心不全との関係について、前向きコホート調査を実施した。
研究対象はベースラインで糖尿病や心不全等の罹患歴のない48〜83歳のスウェーデン中高年女性31,823名(スウェーデンマンモグラフィーコホート参加者)、追跡期間は9年。食物摂取頻度調査データおよび「入院・死亡記録」(1998〜2006年)データとリンクさせた複合統計モデルから分析した。
要因調整後のチョコレート(高カカオ成分)の摂取頻度と心不全発症リスクの関連は、1〜2サービング(SV)/週=32%減、1〜3SV/月=26%減、3〜6SV/週または1SV/日以上ではリスク上昇。
研究者らは、「スウェーデンと米国ではお国柄事情が異なることに注意が必要。スウェーデンではミルクチョコレートでもカカオ成分が30%以上なのに対し、米国では15%以上ならダークチョコレート。摂取量も19g(62歳以上)、30g(61歳以下)に対し米国の平均サイズは20g」とコメントしている。
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