近年、西欧における複数の疫学研究の結果から、グリセミック負荷が高いと大腸がんのリスクを増す危険性があるといわれていたが、前向き研究の例はこれまでにはなかった。このたび上海がん研究所等の研究チームが発表したコホート研究の結果によると、グリセミック指数・グリセミック負荷は大腸がんリスクとの関連がみられなかったという。
対象は40-70歳で、調査開始時にがんに罹っていない中国人女性73,601人。
食事摂取量の把握については試験開始時(1997〜2000年)と最初のフォローアップ時(2000〜2002年)に、食物摂取頻度調査により対面式で行なった。
平均9.1年間の追跡期間中に、確認された大腸がん症例は475例だったが、グリセミック負荷と、大腸がんリスクとの間には関連がみられなかった。
さらにグリセミック指数や炭水化物の摂取量との関連についても調査したが有意差はみられず、糖尿病の既往歴を考慮しても変わらなかったという。
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