睡眠薬として一般的に処方される薬を年に18回以下しか使わない場合でも、死亡リスクが4倍高まるという研究報告。さらに高頻度の使用者の場合にはがんのリスクも高まるという。
米国で睡眠薬を処方された10,500名を追跡調査した。患者の平均年齢は54歳であり、この患者群を年齢性別生活習慣を合わせた対照群と比較した症例対照研究である。
調査された薬物としては、ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系、バルビツール酸系、及び鎮静作用をもつ抗ヒスタミン剤を含む。
その結果、年に18回までの使用者で3.5倍、18-132回までの使用者で4倍、死亡リスクがが高まることが明らかになったという。132回以上の使用者は5倍であった。
著者らによれば、これは決して因果関係を証明したものではなく、単純に睡眠薬の服用者は死亡リスクが高いという以前の研究を支持するだけのものだというけれども、睡眠薬を不眠症の患者に使わない方向での検討を始めるべきだと結論している。
エディターも因果関係は証明されていないとしながらも、安全性に重大な懸念をもたらすもの、と評価している。
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