一般的に良く使われる解熱鎮痛剤ではあるが、適量を用いないと、最悪の場合死に至ることもあるアセトアミノフェン。用量は標準体重を目安に決めるのだが、肥満児の場合どのくらい投与したらよいのか、薬剤師でも正しい判断がつかないケースが少なくないことがわかった。
解熱鎮痛剤に用いられるアセトアミノフェンは、過剰に服用すると死に至る可能性のある一方で、少なすぎると病状が悪化することもある。服用する個人にとっての適量をつかむことが肝要だ。
ここで問題になるのが肥満だという。アセトアミノフェンの推奨用量は体重によって決まるが、その体重というのは身長に対しての標準的な体重のことをいうため、肥満者が自分の体重のみを基準にして服用すると過剰摂取につながる。標準体重より20%以上超過している子どもの場合、用量を減らす必要が示唆されている。
今回の調査で研究者らは、薬剤師や介護者合わせて約70人に対し、アセトアミノフェンの適量についての質問をした。仮想の患者として8歳の子どもを例にし、様々な体重だった場合の適量を訊ねたのだ。結果、体重50kgの肥満児をモデルとした場合には用量を普通体重児の2倍に増やすと答えたり、あるいは答えられない者もいたりと、かなりの混乱がみられたとのこと。
肥満者の増え続ける現在、様々な患者に対応できるような投薬のガイドラインが必要だろうと研究者は述べている。
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