グリセミックインデックス(GI)とグリセミックロード(GL)というのは、あるものを食べた後の血糖値がどのように変化するかを、実験的に測定したもの。食後の血糖値が上がりにくい食品を知ることで、糖尿病の治療に役立つと考えられています。何年か前には、ダイエットまでできてしまうというので日本でもブームがおきたこともありましたが、もちろんこれだけを指標にして減量できるとはなかなか考えにくいことではあります。
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実際急速に廃れて今では覚えている人も少ないのではないでしょうか?(補足しておくと、日本でブームになったものは実際のGIとは全く関係がありません。というのはGI値と日本の提唱者が呼ぶものは、実験的に測定したものではなく計算で出したもので、しかもその計算式は提唱者しか知らなかったからです!)
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もっとも、日本のことはさておいても、実際のGIやGLという概念は、実験的に決まるので確かに科学的とはいえるのですが、食事というのは何種類か何十種類の食材をいっぺんに食べるので、どこまで有効性があるのかという問題が依然として残り、広く受け入れられるまでには至っていないというのが実情だと思います。
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それはともかくとして、この香港の研究は、世界中で広く食べられている中華料理のGIに焦点をあてたもの。日本だけでなく欧米でも中華料理は日常的に食べられており、その意味で(食事で血糖値を上げたくないヒトにとっては)極めて有用なものと思われます。
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香港料理にあまり詳しくない一般の日本人にとっては論文中の英語名と料理を結びつけるのはかなり困難でした。なんとか全部日本語にしましたが、実際はもっと適切な日本語があるかもしれません。これはエスニックを対象にした英語論文一般にいえることではあります。日本語でも悩んでしまうことがありますから。
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