米国カリフォルニア州サンディエゴで2010年10月8-12日に、開催された肥満学会第28回年次学術集会(OBESITY2010)での発表から。論文は、10月27日付のJAMAに掲載される(9日付でオンライン掲載済)。
もうひとつの研究は、442名の肥満女性(BMI, 25-40)を対象にしたランダム化対照試験で、こちらは、カリフォルニア州ラホイヤにあるカリフォルニア大学サンディエゴ校がんセンターの研究チームが、2007年11月から2010年4月まで2年以上にわたって介入及び追跡調査した。
対象者は、18-69歳の肥満女性で、3群にランダムに振り分けられた。(1)センター群(167名)と(2)電話群(164名)は、毎週1回1対1の減量カウンセリングを受診、企業から提供された無料の食事と、毎日30分の身体活動を週5日するように指導された。食事はしだいに提供されたものではないものに移行した。両群ともコミュニケーション手段として電話、電子メール、ウェブサイトが活用された。
対照群(111名)は、(3)通常の個別面談による減量指導を栄養士から2回受け、月ごとに連絡がもたれた。全ての参加者に、診療所を訪れるごとに25ドル(2千円)が支払われた。
24ヵ月後、442名中407名(92.1%)の体重データが利用可能であり、平均の体重減少量は(1)センター群で7.3キログラム、(2)電話群で6.4キログラム、(3)対照群で2キログラムだった。介入終了時に、介入群(1)(2)の両方で半数以上に最低5%の減量がみられたという。対照群(3)で5%以上減量した者は29%に過ぎなかった。
インセンティブのある構造化減量プログラムと研究者らは呼んでいるが、さすがにこれだけ至れり尽くせりの介入(ご飯付で報酬まであるのだ)なら減量できるに決まっていると誰でも思うだろうが、別の見方もある。
関連するエディトリアルでワレンアルパート医学校のレーナ博士は、「この研究は、もし商業的減量プログラムが無償で提供されるなら割合良い結果を残せるという可能性を示唆していると指摘する。現在は減量プログラムには保険は適用されないが、肥満外科手術に2万ドル以上かかることを考えるならば、3ヶ月で1,600ドルしかかからない減量プログラムは魅力的なオプションではないだろうか」とコメントしている。
3ヶ月で1,600ドルなら、今回の介入は2年間だから1人当たり100万円以上かかっていることになる。100万円で7キロ。100グラム1万5千円なり。
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