ダイエットサプリメント・ダイエット・健康・代表的な本能−塩の欲求−は薬物中毒と関連がある

　塩への欲求を刺激することで活性化される遺伝子は、コカインやアヘン（例えばヘロイン）中毒によって制御される遺伝子と同じグループであるかもしれない、というデューク大学医療センターの研究報告。 薬物依存に関係する経路を阻害することで、ナトリウム欲求は強力に妨げられる可能性が示唆された。 2種類の技術（塩の必要性を高めるために塩をしばらく控えさせて利尿薬を使用する。ストレスホルモンACTHを使う。）によって本能的な行動を誘発させたマウスを用いて調べたところ、塩の欲求に関与する視床下部の遺伝子と神経細胞の変化を確認することができた。これらのマウスで視床下部の神経細胞は肥大し、2種類のたんぱく質（DARPP-32とARC）が増加していた。塩分不足によってこれらのたんぱく質の発現量は、視床下部のオレキシン作動性ニューロンで増えることがわかった。 さらに動物が強いナトリウム欲求を抱くとき、視床下部の特定の部位がドパミン（脳内の快感物質）の影響を受けやすくなっていたという。それはバネを加圧したときのように、ナトリウムが減少し本能的に塩を求める状態で、そのニーズを充足したときに得られる満足感の経験によるものだと推測されている。 ドパミン受容体−1（神経細胞表面にある受容体たんぱく質）を遮断する薬（SCH23390）を投与されたマウスは、飲む食塩水の量が大幅に減少していた。ドパミン受容体−2遮断薬（ラクロプライド）は、マウスの食塩水と水の摂取量を減少させたが、ドパミン受容体−1遮断薬は飲む水の量に変化を及ぼさなかったため、水を飲みたいという欲求には影響を与えないことが示された。 今回の結果を利用することで、タバコをニコチンガムやニコチンパッチに、ヘロインをメタドンに替えるような方法を必要としないアプローチを成功させることができるのではないか、と研究者らは期待している。