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☆コーヒーが術後の腸の回復を早める☆<紹介文献:国立健康・栄養研究所 健康・栄養フォーラム> |
腸の手術後にコーヒーを飲むと、より早く腸の働きが回復し、固形食も食べられるようになるまでの時間も短縮される―ドイツ・ハイデルベルク大学の研究。
腹部の手術を行うと腸閉塞症が起こりやすく、問題になっている。研究者らは、この問題の解決にコーヒーが役立つのではないかという仮説に基づき、実験を行った。
実験に参加してもらったのは腸の手術を控えた80人の患者。患者の平均年齢は61歳で、56%が男性だった。また全体の約半数は腸ガン患者で、それ以外では憩室疾患(腸管の内壁の一部が外側に向かって袋状に突出する疾患)、炎症性の腸疾患の順に多かった。全体の61%の患者は開腹手術を受け、それ以外の患者は腹腔鏡手術を受けた。
手術前、患者は無作為に2グループに分けられた。手術後、一方のグループは100mlのコーヒーを1日3回摂取し、他方のグループは同量の水を摂取した。
腸機能の回復度合いを比較すると、コーヒーを摂取したグループでは、術後最初に腸が動き始めるまでの平均時間が60.4時間で、水を摂取したグループの74時間に比べて明らかに短かった。また、コーヒーのグループでは49.2時間後に固形食を受け付けるようになったのに対し、水のグループでは55.8時間かかった。最初におならが出るまでの時間も、コーヒーのグループは40.6時間、水のグループは46.4時間と差が見られた。
一方で、在院期間や術後の体調が悪かった人の割合については、グループ間で有意な差が見られなかった。
手術後にコーヒーを飲むことに抵抗を感じる人が若干いたものの、実際にはコーヒーの摂取を受け入れてくれた。コーヒーの摂取による余病は確認されなかった。
コーヒーが腸を活性化するメカニズムは未だに不明だ。以前行われた研究で、カフェイン抜きのコーヒーでも効果が見られたことから、カフェインの働きによるものではないと考えられる。
いずれにしても、術後のコーヒー摂取は、腸を活性化させるための安価で安全な方法といえるだろう、と実験を行った研究者は話している。
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