ジェラナミン、あるいはDMAAとして知られる興奮剤1,3-ジメチルアミルアミンを含有したサプリメントは、多くのスポーツ用サプリメントとして集中力を高めるなどと考えられて、また天然由来であると謳われて販売されているが、実際には化学的に合成されたものが出回っているようだという研究。
1,3-ジメチルアミルアミンは運動前に摂取することで興奮作用や覚醒作用を示し、疲労の出現を遅らせるなどの働きがあるようだとされ、ゼラニウム科の植物から抽出できることからジェラナミンという名前で多くのサプリメントに含有されている。最近では米国の兵士による使用において死亡事故が発生したことから、その安全性についても議論となっており、米国食品医薬品局からも安全性の根拠に関する警告が4月に発表されている。
テキサス大学アーリントン校の研究者らによれば、そもそも8種類の起源の異なるゼラニウム抽出物からDMAAは検出されなかった。さらに13種類のサプリメントから抽出されたのは化学合成品の特徴(立体異性体の構成比から)を持つDMAAであった。
天然由来のジェラナミンという誤解を招く表現を用いてこれらの製品を販売することは、その危険性や副作用についても不明瞭にしてしまう恐れがあることから、正確に表示をするべきだと指摘して、注意を喚起している。
(なお、2010年以降、ジェラナミンは世界アンチドーピング機構によって禁止薬物として指定されているが、今日でも多くの米国製減量サプリメントに含有されているので、注意が必要)
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