ダイエットサプリメント・ダイエット食品と脳と食欲

　ポルトガルとオーストリアの国際共同研究チームによるショウジョウバエを用いた動物実験の報告。
　通常ショウジョウバエは糖質と酵母(たんぱく源)からなる｢完全食｣を好み酵母主体のエサは食べなかった。しかしたんぱく欠乏食を与え続けると自然に酵母を食べるようになった。この変化は雌の場合により早く現われ、つがいの雌のほうが未婚の雌より早かったという。
　研究者らはこの実験でハエが何を食べたかすぐにわかるように糖質食には青い色をつけ、酵母食には赤い色をつけた。こうするとハエの腹部を見るだけで何を食べたか一目瞭然になる。
　記事ではカラー写真で実物を紹介している。
　主任研究者カルロスリベイロ氏は、この実験方法と遺伝子解析により、つがいの雌が未婚の雌より早く食品選択ができたのは、どの分子や神経細胞によるものなのか、あるいはたんぱく質を補うようハエの脳に働きかけた分子は何なのか、脳のセンサーを特定するという研究の次のステップへ進むのが容易になるだろうという。
　カルロス氏は「たんぱく質の豊富な食品を選択するために、ショウジョウバエの脳で働くセンサーの機構を理解することができれば、雌の蚊の吸血行動を変えることができ、マラリアの感染拡大を防ぐことができるかもしれない。」と期待を示している。
　ショウジョウバエの研究が人間の摂食行動のメカニズムを解きほぐす一助になるのかもしれないというこの研究は、欧州の分子機構 (EMBO)、スイス国立科学財団 Champalimaud 財団、Boehringer Ingelheim 社により行われた。