牛肉・豚肉・ラム肉(鶏肉は違います)といった加工されていない赤身肉の摂取と、上記疾病のリスクとの相関は見られなかった。脳卒中との相関については、研究数が少ないため評価できなかった。
この研究は米国・欧州・アジア・オーストラリアの10カ国1,218,380人のデータを含む20件の論文をメタ分析したものである。
塩分摂取は血圧を上昇させ心疾患のリスクを高める。また動物実験では硝酸塩の摂取の結果動脈硬化が進行し耐糖能が低下して、心疾患と糖尿病発症させることがわかっている。
HSPHの疫学研究者ダリウシュ・モツァファリアン氏は、加工肉と非加工肉では脂質やコレステロール量は変わらないが、加工肉は非加工肉に比べ塩分量は4倍あり、保存料として亜硝酸塩が50%も多く含まれていることを指摘し、この研究は脂質やコレステロールよりも塩分や保存料が心疾患や糖尿病発症リスクとの相関を示唆していると解説する。またこの結果を踏まえ、今後健康への影響を研究する際には、従来は混同されていた非加工肉と加工肉を区別して検討される必要があるとしている。
塩分と保存料いずれが健康に影響するのかについても研究が待たれるところである。
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