解析対象は長寿群(100歳以上)1,055人およびコントロール群1,267人。システム上に構築された遺伝子モデルから、長寿(90歳代後半以上)の予測が可能な150種の一塩基多型(SNPs)を特定し、その精度は77 %であった。さらに長寿群の 90 %を規定する19種の遺伝子群、すなわち最高齢の人たち(110歳以上)の45%が保有する、長寿に関連する"遺伝子著名"も特定した。この遺伝子著名の違いが、加齢に伴う疾患(痴呆、高血圧、心血管疾患)の有病率および死亡率と関連していることが示唆され、「健康的な加齢を規定する遺伝子群の特定に貢献するかもしれない」と研究者らは言う。
研究者らは、「今回開発した新規の方法論は他疾患にも応用可能で、今後より一層の遺伝子メカニズムの解明に挑むことにより、疾患の予防および特定に有益となるだろう。しかし健康的な長寿を規定する要因はあくまでも遺伝子と環境の複合であり、今回の研究結果は遺伝子側の解明に進展をもたらした」と言及している。
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