慢性腰痛症 (LBP) と変形性関節症(OA)の患者にグルコサミンが普及しているが、ノルウェーのオスロ大学病院およびオスロ大学は、グルコサミンには期待される痛みやQOLへの有効性は認められなかったという介入試験結果を「米国医学会誌」7月7日号に発表した。
試験対象は6ヶ月以上の慢性腰痛症 および変形性関節症の患者250人(25歳以上)。無作為化二重盲検プラセボ対照試験。経口グルコサミン群(n=125)とプラセボ群(n=125)に割り付け、両群とも毎日1500mg、6ヶ月間服用した。評価は介入および追跡期間終了時の6か月後、1年後に実施した。主要アウトカム指標は、痛みによる障害スコア(RMDQ)。副次アウトカム指標は、静止/活動時の痛みのスコアおよびQOLスコア(EQ-5D)。
介入時RMDQ平均スコアは、グルコサミン群9.2(95%信頼区間(CI),8.4-10.0)、プラセボ群9.7 (95%CI,8.9-10.5)。6ヶ月後は両群が同スコア5.0(95%CI, 4.2-5.8)。1年後はグルコサミン群4.8 (95%CI, 3.9-5.6)、プラセボ群5.5 (95%CI, 4.7-6.4)。全評価指標において、群間に統計上の有意差は認められなかった。
研究者らは、「今回の結果から、全ての慢性腰痛症および変形性関節症の患者に一様にグルコサミンを推奨することは、現地点では好ましくないようだ。今後、被験者を代えた介入試験を重ね、グルコサミンの効果の是非について、より明白にすることが求められる」と言及している。
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