英国レスター大学の研究者らは、果物・野菜の摂取と2型糖尿病の発症リスクとの関連を系統的文献レビュー、メタ分析し、緑色葉菜類の摂取量を増やすと2型糖尿病の発症リスクは顕著に軽減する可能性があると『英国医学雑誌』8月19日号に発表した。
文献は医学系の表題およびキーワード「糖尿病、糖尿病前症、果物、野菜」によりMedline等で検索され、前向きコホート研究6文献を採用した(対象者22万人)。
結果から、一日に食べる緑色葉菜類(ほうれん草等)を1.15サービング(sv)増やすと、2型糖尿病の発症リスクは14%低くなることが示された(0.2svと比較し1.35svではハザード比0.86, 95%信頼区間0.77- 0.96) (P=0.01)。 一方、野菜、果物、野菜と果物混合の摂取量を増やした場合は、リスク軽減傾向は示すものの明確ではなかった。
この緑色葉菜類の2型糖尿病発症リスク軽減効果は、野菜や果物がもつ抗酸化成分に加え、高マグネシウム含有に起因するのではないかと研究者らは予測している。本研究結果は、サプリメントから抗酸化成分を単独摂取するよりも、「食品」から得られる効果の方が健康により良い影響を及ぼすというエビデンスを支持するものだという。
研究者らは、「個人へ緑色葉菜類の摂取量を増やすよう指導すること、および微力でも果物と野菜全体のリスク軽減効果を却下することは時期尚早である。検討した文献は限定されたものであり、今後一層の研究が必要だ」と言及している。
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